女性たちのワードローブに欠かせないドレスという存在。何世紀にもわたり愛されてきたアイコニックなこの衣服は、時代や変化するトレンド、スタイルと共に進化してきました。
今回の特集では歴史の中で最も象徴的なドレスを紹介しながら、その思い出を辿ってみます。ポップカルチャーの世界で愛されたドレスから、映画で使用され多くの人の記憶に残るドレスまで。オードリー・ヘップバーンが纏うGivenchy、ココ・シャネルの革新的なリトルブラックドレス、歴史上最も美しいドレスを着て登場したマリリン・モンロー、インパクトを与えたダイアナ妃のリベンジドレス、Versaceが手がけたジェニファー・ロペスの大胆なジャングルプリントドレス、ケイト・ミドルトンのAlexander McQueenウェディングドレスなど、人々を魅了したドレスたちが並びます。
特別な機会のルックを選ぶとき、魅力的なアイコニックなドレスの歴史に目を向けるとインスピレーションが湧いてくることがあります。インパクトのあるマキシ丈からキュートなミニまで、厳選セレクションではさまざまなタイプのドレスを提案しています。ドレスを選んだらルックをさらに高めるバッグや小物、魅惑的なハイヒールやクールなスニーカーも一緒にチェック。自分の中に潜む個性をアイコンとして輝かせる、唯一無二のルックを探ってみませんか?
Princess Diana: “リベンジドレス”
過去100年間、女性たちのワードローブの定番となっているリトルブラックドレス。もともとは一般的に喪服として着用されていた黒いドレスですが、1926年、伝説的デザイナーGabrielle “Coco” Chanelが新たな視点からリトルブラックドレスとして提案し、ファション界に革命をもたらしました。シンプルでエレガント、かつ手に取りやすい価格を設定したことで、世界恐慌の暗い時代に一筋の光を生み出しました。
戦後、Christian Diorによって提案されたニュールック。ロングスカートとウエストを絞った新しくセクシーなLBDルックが誕生しました。しかし、映画『ティファニーで朝食を』でGivenchyの黒いイブニングドレスを纏ったオードリー・ヘップバーンが、リトルブラックドレスを映画ファッションにおけるアイコニックな存在へと押し上げました。
その後このドレスは、チャールズ皇太子がカミラ・パーカー・ボウルズとの関係を公に認めたその日の夜のイベントで、ダイアナ妃が「リベンジドレス」と呼ばれたリトルブラックドレスを着用するなど、アイコニックドレスとしてさまざまな進化を遂げてきました。短いオフショルダードレスは、ダイアナの強さと立ち上がる力を物語る大胆なステートメントドレスであり、永遠のファッションアイコンとして語り継がれることになった、彼女のこれからの旅の新たなスタートの瞬間を示しています。
リトルブラックドレスは単なる衣服ではなく、力強さと自信の象徴です。長い時を経てさまざまな進化を遂げてきたドレスですが、すべての女性のワードローブで生き続ける、ずっと色褪せないタイムレスなクラシックドレスなのです。
Kate Middleton: ウエディングドレス
人生の旅の中で切り開く新たなスタート。愛情、献身、美しさを象徴するウェディングドレスは、そのドレスを纏う人にとって大きな意味を持っています。私たちはこれまで数多くのアイコニックなウェディングドレスを目にしてきましたが、その中でもひと際多くの人の印象に残っているドレスが、キャサリン妃が結婚式に纏ったウェディングドレスといえます。Alexander McQueenのクリエイティブディレクターを務めるサラ・バートンがデザインしたアイボリーカラーのドレスは見る人を一瞬で魅了する傑作です。繊細なレースを施した袖、Vネックのボディス、そして9フィート (約274cm) もある流れるようなドラマティックなトレーンが印象的な、見事なドレスが生み出されました。このドレスのデザインは1956年にモナコ大公と結婚した、グレース・ケリーが着用したアイコニックなウェディングドレスがインスピレーションとなっていますが、ケイトのドレスにはモダンな要素が落とし込まれ、トラディショナルとコンテンポラリーの絶妙な融合が人々を引き付けました。それぞれのステッチへの徹底したディテールのこだわりと、複雑なデザインが注ぎ込まれたこのドレスの制作には数ヶ月を要しています。13年の年月が経った今も、ケイトのために制作されたドレスは永遠に色褪せないアイコニックなウェディングドレスであり、新しいスタートを切る多くの女性たちのインスピレーションとなっています。
大切な日に向けて唯一無二のドレスを提案する厳選ブライダルセレクション。キャサリン妃のようなタイムレスなクラシックスタイルから、型にはまらない個性溢れるルックまで。セレクションをヒントに、人生で最も特別なその日にふさわしい一着をじっくり選んでみませんか?
Audrey Hepburn: Givenchy ホワイトドレス in Sabrina
1954年に公開された『麗しのサブリナ』でオードリー・ヘップバーンが着用したGivenchyの白いドレスは、ハリウッドの魅力の代名詞となっただけでなく、映画の歴史で最も有名な衣装の一つとなりました。この映画でヘップバーンは、控えめな性格の少女がパリでの滞在中に洗練された女性へと成長する役を演じています。その中であるパーティーに参加するシーンでこのドレスを纏い注目を集めますが、このドレスはヘップバーンが『ティファニーで朝食を』で着用していたリトルブラックドレスを含む、プライベートでも彼女のルックの多くをデザインしていたユベール・ド・ジバンシィとの初期のコラボレーションの一つです。
特別な日のアウトフィットに悩んでいるなら、ヘップバーンのアイコニックなルックからインスピレーションを得たエレガントなイブニングドレスを。そこにステートメントジュエリーとシンプルかつ洗練されたハイヒールを合わせれば、ヘップバーンのように周囲を惹きつける雰囲気を実現できるはずです。
Jackie Kennedy: ピンクスーツ
20世紀における真のファッションアイコンといえるジャッキー・ケネディ。アメリカ合衆国のファーストレディとして、エフォートレスでエレガントな洗練されたその装いが世界中を魅了していました。完璧といえる彼女のファッションセンスは、一度見たら忘れられないアウトフィットを通してさまざまな機会でみることができました。その中でも特に忘れられない装いが、ケネディ大統領が暗殺された悲劇的な日に着用していた、アイコニックなピンクのスカートスーツです。
当時、シャネルのスーツは自立した女性の強さを、ピンクはフェミニニティを象徴していました。その日ジャッキー・ケネディが着用していたスーツはシャネルが完全に手がけたものではありませんが、素材とデザインがブランドからニューヨークのブティックChez Ninonに提供され自身が制作したものであり、これはアメリカの指導者は国産ブランドを着用する、という暗黙のルールによるものです。当時ジャッキー・ケネディが選んでいたアウトフィットは非常に画期的であり、彼女が纏ったピンクのスーツは強さ、フェミニニティ、スタイルのパワフルなシンボルとして人々の記憶に残り続けています。
Julia Roberts: 赤いドレス in Pretty Woman
映画史上、最も記憶に残るドレスの一つに、1990年に公開された『プリティウーマン』でジュリア・ロバーツが着用した、マリリン・ヴァンスがデザインした赤いオフショルダードレスが挙げられます。映画の中でこのドレスは、ジュリア・ロバーツが演じる女性の変化や成長を描いたサクセスストーリーを語る上で重要な役割を果たしています。当初の予定では黒いドレスがイメージされていましたが、ヴァンスは制作チームに黒ではなく赤を使用するよう説得しました。エレガンスと魅力の完璧なバランスが落とし込まれたこの印象的な赤いドレスをはじめ、映画の衣装を手がけたヴァンスはBAFTAにノミネートされ、また赤いドレスは2014年にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館でも展示されました。
特別な夜のイベントは、ジュリア・ロバーツの印象的なルックからインスピレーションを。セレクションからエレガントなドレスとファインジュエリーを選んで、プリティウーマンのような世界を体現してみてはどうでしょうか。
Marilyn Monroe: “Happy Birthday”ドレス
次のアイコニックなドレスは、1962年にマリリン・モンローがマディソン・スクエア・ガーデンでジョン・F・ケネディ大統領の誕生日を祝うために着用したドレスです。控えめなドレスを着用するように言われていたマリリンですが、その逆ともいえるインパクトを与えるスキャンダラスなドレスを選びました。そのためマリリンとケネディに囁かれていた秘密の関係は、マリリンが纏ったドレスによってさらにスキャンダラスなものへと発展しました。この日からわずか3ヶ月後、1962年8月にマリリンはこの世を去りますが、この誕生日イベントは彼女の最後の公演の一つとなりました。
Jean Louisがデザインしたこのヌーディーなドレスには、きらめくセカンドスキンのような効果を生み出す2500個のラインストーンが散りばめられています。マリリンは当時このドレスを1,440.03ドル (現在約14,200ドル) で購入しましたが、今日では480万ドル以上の価値を持ち、史上最も高価なドレスとなっています。
昨年キム・カーダシアンがメットガラの際にこのドレスを着用し、世界中の注目を集め再び衝撃を与えました。
次のイベントでは、見る人の記憶に残るインパクトのあるドレスを選んでみませんか?セレクションでは特別な機会で人々を魅了するパーティードレスを提案しています。
Michelle Pfeiffer: スリップドレス in Scarface
ファッションシーンでは時に一瞬で人々を魅了する瞬間が存在しますが、映画『スカーフェイス』のミシェル・ファイファーが身に着けていたスリップドレスは、間違いなくその一つといえます。衣装デザイナーであるパトリシア・ノリスが制作したこのドレスは、魅力的かつ官能的な感覚を醸し出しています。煌めくシルク、施されたラインストーン、大きく開いたネックライン、深いスリット。これらの要素がファイファーが演じるキャラクターの、エフォートレスなエレガンスを引き立てています。40年経った今でもファッション界やポップカルチャー界に影響を与え続けているこのドレスは、オリビア・ロドリゴやカイア・ガーバーのようなイットガールたちが、独自のスタイルで着用している様子が目撃されています。
フォーマルなシーンには輝くドロップピアスやハイヒールを合わせて、カジュアルな場面ではエッジの効いたコンバットブーツやスニーカーでドレスダウンして。セレクションからエレガントなスリップドレスを選んで、映画のファイファーのような伝説的なルックを自分らしい演出で再現してみませんか?
Jennifer Lopez: Versace ジャングルプリントドレス
2000年、Versaceが手がけたジャングルをイメージした大胆なプリントドレスを纏い、グラミー賞のレッドカーペットに登場したジェニファー・ロペス。その瞬間、ファッション界だけでなくテクノロジー業界にまで旋風が巻き起こりました。ぎりぎりまでカットされた深いネックラインがインパクトを与えるこのドレスは、その会場にいたすべての人だけでなく、自宅からショーを観ていた人々にも衝撃を与え魅了しました。そしてネット上ではこのドレスのGoogle Imageでの検索率が急上昇したのです。
J.Loのその大胆なスタイルは、現在もファッション界で語り継がれています。夏のワードローブにちょっとした刺激を落とし込むなら、夏風に揺れて映えるプリントドレスがインスピレーションになるのではないでしょうか。スタイリッシュでシック、そして見る人をはっとさせ一瞬で魅了するようなドレスが、最高の夏を演出してくれるはずです。J.Loが放つ情熱のオーラを、自分なりのスタイルで表現してみませんか?