スタイルに関係なくワードローブに欠かせない存在がアイコニックなスニーカーたちです。どんなアウトフィットにも落とし込めるスニーカーは、ドレスアップでもドレスダウンでも、多くのシーンで活躍してくれます。さわやかな春のルックにはアクティブシーンでも履けるAsicsを。パンツとブレザーを組み合わせたセミフォーマルルックは、ストリートスタイルなVansでトーンダウンして。どんなアウトフィットにも溶け込む着回しのよさ、そしてスニーカーに情熱を注ぐ人々が話題にすることで、クラシックなアイコンスニーカーの再考モデルやアップデートバージョンが、ブランドによって生み続けられています。
ConverseもReebokもNew Balanceも、歴史に残るスニーカーは常にコンテンポラリーで人々を興奮させ、それでいてクラシックな魅力も兼ね備えています。トレンドは変わっても、自分自身のスタイルやライフスタイルに合ったアイコンアイテムを選べば、そのアイテムはこれからもずっと信頼できるワードローブの定番となります。世界中で愛されるNikeからアイコニックなadidasまで。特集ではファッションシーンで時代を超えて私たちを楽しませてくれる、歴史に残るスニーカーをまとめました。
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NIKE
パフォーマンス性が高いフットウェアの制作からスタートしたNikeは、今最も世界中で注目され愛されているブランドの一つです。画期的なデザインとテクノロジーから革新的なマーケティング戦略まで、Nikeはフットウェア業界に革命を起こしました。Nikeが生み出したアイコンスニーカーは現在、多くのブランドの基準となっています。
AIR FORCE 1
Nike Air Force 1は1982年、伝説的デザイナーBruce Kilgoreが最初に試みたバスケットボールシューズとして発表されたスニーカーです。ハイキングブーツから着想を得たハイカットシューズとして誕生したシューズでしたが、その後、ソールにクッション性を加え、Nike Airテクノロジーを駆使した最初のバスケットシューズへと生まれ変わりました。一年後の1983年にはローカットモデルが導入され、さまざまなカラーバージョンも加わったことで、大都市でのAF1の人気が高まりました。1984年には生産終了が予定されていたAir Force 1ですが、その想定外の人気が過去41年間にわたり熱心な支持者を獲得しており、今ではスニーカーカルチャーに火をつけたモデルとして、またNikeを最も象徴するアイコンスニーカーとして世界中で愛されています.
CORTEZ
Nikeが手がけたすべてのシューズの中で最初のアイコンとなったスニーカーCortez。Nikeが「ブルーリボンスポーツ」と呼ばれていた初期の頃の1972年、共同設立者Bill BowermanとPhil Knightは初めて手がけるトラックシューズとして、ブランドを象徴するシンボル、スウッシュを初めて施したモデルCortezを実現しました。デビューから半世紀以上経った現在、Cortezはスポーツシューズからファッションシーンに欠かせない定番スニーカーとしてその存在を確立しています。
AIR JORDAN 1
Air Jordan 1が初めて脚光を浴びたのは、バスケットボールのレジェンドMichael Jordan (マイケル・ジョーダン) が、1985年にそのシューズを履いてコートに立った時でした。ジョーダンの活躍が目まぐるしくなると売り上げも伸び、Air Jordan 1は瞬く間にヒット商品となりました。Nike独自のユニークなストーリーテリングでのアプローチやさまざまなコラボレーションにより、AJ 1は一目置かれる存在となっています。スニーカーの歴史を語る上でAir Jordan 1は重要な部分であり、38年経った今も、最も注目されているスニーカーとして世界中で愛されています。
AIR MAX 1
1987年にリリースされたAir Max 1ですが、その前に別の1モデルが存在していました。1986年、フットウェアデザイナーTinker Hatfield (ティンカー・ハットフィールド) は、エアユニットが低温下でひび割れする傾向にあることに気付き、再びデザインを考えることを余儀なくされました。その再考モデルが、今多くの人が愛用しているAir Max 1 ’87です。今年のエアマックスデーではこれまでで最もレアなスニーカーを主役に、誕生36周年を祝いました。ハットフィールドのオリジナルデザインを体現したAir Max 1 ’86 Big Bubbleには、これまで実現されたスニーカーの中で最も大きなエアウィンドウが落とし込まれています。
ADIDAS
1949年、adidasはプレミアムスポーツウェアを生産する目的で設立されました。設立当初、ブランドは主にサッカーシューズに焦点を当てていましたが、そこから誕生したSambaは、74年後の今、ブランドを最も象徴するモデルの一つとして多くの人に愛されています。1950年代から1970年代にかけてadidasは国際的に活躍するアスリートたちにadidasを着用してもらい、スポーツ業界を席巻しました。1980年代から1990年代には有名なミュージシャンやセレブリティが、そのアイコニックなルックで登場するようになり注目度が高まっていきます。レトロな雰囲気と時代を超えて人々を惹きつける魅力を持つadidasは、今日も世界中の多くの人に愛されるブランドです。
STAN SMITH
私たちが現在知っているStan Smithは1963年、adidasが手がけた最初のテニスシューズとして発表されました。このシューズに落とし込まれたユニークなレザーアッパーは、当時キャンバスでつくられていた他のシューズとは一線を画していました。モデルStan Smithが誕生するまでは、1971年に引退するまでテニス選手として活躍したRobert Hailletの名が付けられていました。adidasは1970年代初めにテニスプレーヤーStanley Roger Smithとパートナーシップを組み、永遠のスニーカーStan Smithが誕生しました。テニスシューズとして生まれたStan Smithは、そのクリーンでタイムレスなデザインが世界中のセレブリティやトレンドセッターを魅了し、グローバルなスタイルアイコンとして多くの人に愛されています。
SAMBA
サッカーシューズとして誕生し、今ではファッションシーンに欠かせないSamba。70年間の長い歴史があるSambaは、現在もトレンディなシューズの一つとして認識されています。1949年、Sambaは試合中に選手が履くシューズにさらなる牽引力が加わるよう、特別なラバーソールを施したサッカーシューズとして誕生しました。このシューズの発売から1年後にブラジルでワールドカップが開催されることになっていましたが、adidasはマーケティング戦略の一環として、ブラジルの伝統的な音楽、サンバにちなんでこのシューズをSambaと名付けました。1990年代から2000年初頭にかけてはSambaは世界中から注目され、誰もが履きたいと思うスニーカーとなっていました。しかしその数年後には注目度が下がり、スポットライトから姿を消したSambaでしたが、2022年頃にはベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナーのようなトレンドセッターたちのSambaを履く姿が度々見られるようになり、再び脚光を浴びたSambaは今最も注目されているスニーカーの一つとしてその存在を確立しています。
ULTRA BOOST
ランニングの世界に革命を起こすために生まれたUltra Boostは、最も革新的なテクノロジーを駆使して誕生しました。当初はシンプルなランニングシューズという意図でデザインされましたが、2010年代後半からファッションシーンにも登場するようになると、ワードローブのマストハブアイテムとして注目度を高めていきました。2015年、カニエ・ウェストがライブなどで着用するようになると、Ultra Boostの人気は急上昇し、誰もが手に入れたいスニーカーリストのトップに躍り出ます。Ultra Boostは現在adidasが手がけたスニーカーの中でも、最も知られているモデルの一つといえます。
GAZELLE
人気が高いadidasが生んだGazelleは、ファッション界で最もホットなスニーカーの一つといえます。1966年に誕生したGazelleはハンドボールコート用として誕生しましたが、モデルGazelle Indoorにはインドア用のソールが施されています。Gazelleが他のモデルと一線を画した理由は、当時のパフォーマンスシューズとしてはなかったスエードアッパーにありました。その後数十年にわたり、1970年代には音楽シーンのアイコンとして、1980年代にはヒップホップスターの、1990年代にはモデルや俳優たちの注目を集めました。最近復活している1990年代のノスタルジックなトレンドは、タイムレスなワードローブに欠かせないGazelleへの情熱を再燃させています。
REEBOK
フィットネスブームが巻き起こり、アクティブウェアが飛ぶように売れた1980年代。特に注目されたアイテムはカジュアルなスニーカーでした。そしてその最前線を走っていたブランドがReebokです。Nikeが登場するはるか昔から1980年代のアメリカスニーカー市場の支配者としてReebok Pump, Club C, Classic Leatherのようなモデルがアクティブシーンだけでなく、アイコンスニーカーとして認知されており、Reebokスニーカーは長年の間、お気に入りスニーカーとして愛用されてきました。
CLUB C
1980年代後半にテニスシューズとして人気を誇っていたClub Cは、1990年代になるとスポーツシーンだけでなく、テニスコートの外でも履けるトレンディスニーカーとしての地位を獲得しました。何世代にもわたりヴィンテージ感溢れるこのReebokモデルが愛される理由は、機能性を重視するだけでなく、モダンな色彩とグラフィックを融合した、さまざまなルックと相性がいいその新鮮でエキサイティングなデザインにあります。クリーンでクラシックなそのデザインはジーンズやグラフィックTシャツに自然に調和するだけでなく、ドレスやスーツスタイルに洗練かつスポーティーなタッチを加えることができます。
CLASSIC LEATHER
Reebok Classic Leatherを目にするとノスタルジックな気持ちになります。1983年、フィットネスブームのピーク時に初めて登場したClassic Leatherは、パフォーマンスに優れたスポーツシューズから、スポーツウェアがインスピレーションとなるライフスタイルシューズへとその存在価値を変えていきました。何回もアップデートを繰り返してきたClassic Leatherですが、そのデザインはすぐに認識できるほど、最初のモデルとほぼ変わることはありません。Classic Leatherの最新バージョンは柔らかいプレミアムレザーアッパー、滑りにくいラバーソール、ユニオンジャックロゴを落とし込み、心地よさを確保するパッドが足首部分に施されています。
CONVERSE
クラシックスニーカーの代名詞といえるConverse。スポーツシューズとして誕生したモデルChuck TaylorとAll Star は、ストリートシーンに欠かせない多くの人のお気に入りスニーカーとなっています。1980年代のフィットネスブームが始まる前、 Converseは1970年代にモダンなバスケットボールシューズを実現しその人気を獲得しましたが、進化させたハイカットモデルが、それ以降もトレンドとして脚光を浴び続けています。
VANS
アイコンスニーカーを持つ他のブランドとは異なり、Vansのスニーカーはパフォーマンス重視のスポーツシューズを制作するという目的でスタートしていません。もともとラバーソールを専門とする会社であったVan Doren Rubber Companyが行き着いた場所は、南カリフォルニアでした。奥を工場、手前を店舗としていましたが、地元のサーファーやスケーターたちが、彼らが手がけるシューズの構造やカスタムオーダーを高く評価するようになりました。戦略的に選んだわけではないたまたま行き着いた場所と、非常に丈夫なラバーソールが引き金となりとなり、Vansはスケーターやサーファーたちが頼りにするシューズブランドとなったのです。以来VansはスリッポンやVans Sk8-Hiなどのアイコニックなスニーカーを生み出し、ストリートスタイルを愛する人々のワードローブに欠かせない存在となりました。
AUTHENTIC
1966年、Van Doren兄弟がカリフォルニア州アナハイムに店舗をオープンさせた直後、現在Authenticとして知られる#44が誕生しました。当時、他の競合ブランドはキャンバスのアッパーとラバーソールを使用したシューズをすでに制作していたため、他とは一線を画すスニーカーをつくろうと考えていました。Authenticは牽引力を高めるためにより大きく丈夫なソールが施され、徐々に地元のスケーターやサーファーたちに選ばれる定番アイテムとなりました。そして最終的に多くのコラボレーションを重ねたAuthenticはVans歴代ベストセラーとして、ストリートスタイルに欠かせないスニーカーとなりました
OLD SKOOL & KNU SKOOL
シグネチャースタイルAuthenticからの脱却として初めて制作されたモデルが、ブランド共同設立者Paul Van Dorenが生み出したVans Old Skoolです。ある日Van Dorenは落書きをしながら何気なく、後にブランドイメージに欠かせない要素となる、Vansの特徴であるサイドのラインを描きました。最初のOld Skoolはサイドのアイコニックなストライプライン、そして耐久性を高めるために、つま先にスエードのパネルが施されていました。数年後、ブランドはその進化形モデルとなる、パディングとと保護力を高めたボリューミーなKnu Skoolを発表しました。
ASICS
「健全な身体と健全な精神があれかし」という哲学のもと設立されたAsicsは、長年にわたり健全なシューズも生み出してきました。長距離ランナーに愛されるAsicsのスニーカーは、快適さとパフォーマンス性を特徴とするさまざまなルックに落とし込めるデザインが、スポーツシーンだけでなく毎日のワードローブの定番アイテムとしても人気を集めています。さらにさまざまなコラボレーションやカプセルコレクションで、豊富なカラーブロックが登場しており、GEL-KAYANO 14, GEL-SONOMA, GEL-NYCのようなモデルが世界中のシュークロックの中で生き続けてきました。
GEL-KAYANO 14
アイコンスニーカーリストの中では比較的最近のモデルであるAsics GEL-KAYANO 14は、2008年にリリースされるとランニングを愛する人々の間でヒット商品となりました。生産終了後は、熱烈なファンやコレクターが、市場に残ったスニーカーをインターネットで探し回っていたほどです。2020年、感謝の気持を込めてこのスニーカーのアップデートモデルがリリースされました。未来的なシルエットは新しい時代のためのモデルのようでもありますが、デザインは最初に誕生したGEL-KAYANO 14が持つ表情を残しています。
SONOMA
アウトドア用トレイルランニングシューズAsics GEL-SONOMAは履き口のカットが低く、スリムなデザインとスピード感溢れるシルエットがスポーティーな雰囲気を醸し出しています。ハイキングやランニングに情熱を注ぐ人々に向けて設計されましたが、スポーツウェから日常着まで、GEL-SONOMAはアーバンライフのあらゆる場面で自然に溶け込むスニーカーです。優れたパフォーマンスと美学が落とし込まれ、タフな反逆精神が滲むGEL-SONOMAは、どんなシーンもアクティブなルックを実現してくれるマストハブスニーカーです。
GEL-NYC
トラディショナルとモダニティの完璧なバランスがアイコンスニーカーの魅力の一つですが、Asics GEL-NYCもその魅力を持っています。2000年代初めのモデルからインスピレーションを得たアッパーと装飾的アクセント、そしてコンテンポラリーな構造が新鮮なデザインとコンフォートを生み出し、ずっと色褪せないそのスタイルが定番としてワードローブで生き続けています。ランニングシーンでも街でも、GEL-NYC本来のスポーティーでスピードを感じさせる美学は、さまざまなルックにアクティブな印象を生み出します。
NEW BALANCE
自分にベストなスニーカーを選ぶとき、私たちはアスリートたちがどんなシューズを履いているのかを参考にすることがよくあります。ブランドはさまざまなスポーツが必要とするパフォーマンス性からスニーカーを設計しますが、New Balanceはスポーツシーンに限らず、さまざまなシーンで機能するアイコンスニーカーを生み続けています。ノスタルジックな雰囲気を醸し出すダッドスニーカーはカジュアルでコンテンポラリーなスタイルと完全に融合し、時代の流れに沿いながらも、個性に満ちた唯一無二のルックを実現します。
990V1-6
New Balanceスニーカーを代表するアイコンモデル990。もともと高性能なランニングシューズとして誕生した990は、1982年のオリジナルモデルがアップデートされ続け独自の道を歩んできました。新しい衝撃吸収技術を導入した990V2。990V3はメッシュアッパーが特徴的なチャンキーな外観で、今日私たちが知っている990へ近づく第一歩となったモデルです。990V6がリリースされるまで、それぞれのモデルでコンフォートとデザインがアップデートされてきました。