英国を象徴するプリントカンパニーLibertyと、LuisaViaRomaの取り組みの一環であるLVRSustainableとのコラボレーションにより誕生したフェイスマスクコレクション。意識を持った取り組みにより生まれたマスクは安心して使えるだけでなく、デザイン面にもこだわりが落とし込まれています。地球や環境を考慮し、オーガニックTana Lawn™コットンで制作されたマスクは撥水性と通気性を兼ね備えています。またマスクは周りの大切な人が安心して使えるよう3層構造となっており、保管に便利な専用ポーチが各マスクに付属しています。ゴージャスでスタイリッシュなプリントを施したマスクは、私たちの新しい日常に活気をもたらしてくれるはずです。
サステナブルに取り組むLiberty Fabrics (リバティ･ファブリックス) について教えていただけますか？
Liberty Fabrics (リバティ･ファブリックス) は、生地の生産が世界に大きな環境的･社会的影響を与えることを認識しています。そのため生産には真摯を持って取り組み、この分野の進歩を継続的に改善するために力を注いでいます。当社の生地は世界の資源への影響を緩和するため、最先端技術と革新的な繊維を採用した伝統的技術を用いて制作されています。
Libertyにとってのサステナビリティとはどういった意味を持ちますか？LVRSustainableとのコラボレーションを大切にしている理由は何でしょうか？
Liberty Fabricsは世代を超えて受け継がれる美しく、そして長持ちする製品を制作することでお客さまやパートナーをサポートすることに努めています。私たちは責任ある生産方法によって最高品質の生地を生産しています。LVRSustainableはアップサイクル、リサイクル、エシカルトレードに重点を置いており、将来を見据えて取り組むLiberty Fabricsと多くの共通点があると考えています。
Liberty Fabricsは2017年1月から非営利団体Better Cotton Initiative (BCI) のメンバーとして綿花栽培のよりよい実践を促進しています。またGlobal Organic Textile Standard (GOTS) 認証を確保しており、95％以上の認証済みオーガニック繊維を含む「オーガニック」として分類されています。Liberty Fabricsのいくつかのコットン＆リネンベースについてはStandard 100 Oeko-Tex認証を取得しており、Global Recycled Standard (GRS) によるリサイクル素材の検証を促進しています。
LVRSustainableとのサステナブルコラボレーションで誕生したマスクに採用されたプリントのインスピレーションを教えて下さい。
それぞれのデザインにはストーリーがあります。ペイズリーやフローラルプリントを始めクラシックなLibertyプリントを選びましたが、これらはすべて世界的に有名なLibertyのアーカイブから選択したものです。人々が楽しく着用できるよう、新鮮さとポジティブ感が溢れるプリントを採用しました。洗練されたデザインでもあるので、小物アイテムとしてどんなアウトフィットにも合わせることができます。
LuisaViaRomaのためにデザインしたマスクはオーガニックTana でつくられた3層構造となっています。この素材について教えてください。
当社のTana Lawn™コットンは執念で完成した生地で、1世紀以上に渡り進化してきたオーダーメイドプロセスを通して現代の傑作品となりました。プリントはイタリア北部にある当社のLiberty Printing Millで行われています。このオーガニックバージョンはOeko-Tex® Standard 100の評価に加え、Global Recycled Standard (GRS) 認証を確実にするために、通常とは少し異なるプロセスで準備が行われます。
Libertyはつい最近ETI (Ethical Trade Initiative) のメンバーとなりましたが、Libertyにとって倫理的なエシカルトレードとは何を意味しますか？またなぜ企業にとって社会的責任が重要になるのかを教えてください。
ビジネスは正しい方法で行うために多くの資金が投資されています。本社スタッフからサプライチェーンのメーカーまで、ビジネスの成長をサポートする人たちの尊厳を守り、最大限の敬意を払わなければなりません。これはすべての責任ある企業が守らなければならないことです。Ethical Trade Initiativeのメンバーになることは、ブランド、NGO、労働組合と協力しながら労働者の権利に関するサプライチェーン内の体系的な問題をより理解するために、私たちが最初に重要だと感じたことの一つです。
Libertyはトレンドに左右されない時代を超越した魅力が人々を惹きつけています。現在はどのようなプリントを制作していますか？また今シーズンのインスピレーションを教えてください。
2020秋冬Private Viewコレクションは4つの「ギャラリー」ストーリに分かれており、芸術とデザインに対するLibertyの長年の取り組みを反映しています。Arts and Craftsヘリテージの「パーマネントコレクション」から贅沢なこだわりを詰め込んだフローラルが印象的な「ボタニカルギャラリー」、洒落た会話の断片を表現した「Curated Curiosities」、アジアと中東のアーカイブテキスタイルデザインから着想を得た「Eastern Treasures」まで、それぞれのアートギャラリーはLiberty Fabricsの異なる歴史の側面を表現しています。
Libertyには1800年代まで遡る作品を保管するすばらしいアーカイブがあります。インハウスアーカイブの中で印象に残っているプリントはありますか？
クラシックシルクコレクションの「Prospect Road」は、1968年にLibertyデザインディレクターのBernard Nevilleによって最初にデザインされました。そのプリントの中で迷子になりたいくらいの魅惑的な風景が描かれています。また私たちの新しいデザイン「Amherst」は、アーカイブの中の作品で1967年に初めて制作されました。写真のようにも見える美しい羽根の絵がとても印象的なプリントです。
Libertyは数十年にわたり主要ファッションブランドのプリントをデザインしてきましたが、どのようなブランドと取り組んできましたか？
1960-70年代にはYves Saint Laurent (イヴサンローラン) やCacharel (キャシャレル) と、2000年になってからはLouis Vuitton (ルイ･ヴィトン) やSupreme (シュプリーム)、最近ではミラノファッションウィークでGucci (グッチ) とも取り組みを行いました。Libertyは名声高い一流ファッションブランドと協力し合うだけでなく新進気鋭の若手デザイナーたちもサポートしており、そのことに誇りを感じています。
歴史をつくるLibertyのアーカイブは、Libertyの将来にどのような影響を与えると考えますか?
私たちは常に過去を参照し、過去からインスピレーションを得ていますが、Libertyのアーカイブは呼吸をし生き続けています。各シーズンのコレクションの70％以上は、ロンドンのデザインスタジオのアーティストが制作した新しいデザインです。新しく生まれたプリントはLibertyの将来を豊かにするためにアーカイブに追加されていきます。
Libertyのプリントは手描きのアートワークとして始まるそうですが、アイデアが出てからプリントに至るまでのプロセスを教えてください。
デザインのアートワークは描画やペイントに1日から長くて1週間かかることもあります。クリエイティブプロセスではエキサイティングなプロジェクトになるよう、チーム内でのオープンなディスカッションを促しています。
60点のプリントを展開するコレクションを年2回発表していますが、最初にパターンを考えるのですか？それともテーマを決めるのでしょうか。
まず気分を奮い立たせる雰囲気をつくるためのコンセプトを設定します。私たちのお客さまのテイストはとても多様であるため、異なる時代やスタイルを要約し、デザインチームがさまざまな方向からアイデアを出せるきっかけを与えてあげなければなりません。折衷的な視点でアプローチすることがLibertyの典型的な方法です。
デザインチームはどれくらいの人数で構成されていますか？プリントのアイデアは全員が集まって出し合うのでしょうか。
デザインチームにはアーキビスト、カラーエキスパート、イラストレーター、テクニカルアートワーカーを含め、20人のデザイナーがコレクション制作に関わっています。コミュニーケーションを取り合い、お互いに刺激を与えながら協調して作業を行うことはデザインプロセスにとって非常に重要なことであり、スタジオは常にエネルギーに満ち溢れています。チームは新しいものを創り出すことと卓越性の追求に多大な力を注いでいます。
Libertyについて考える時、何が頭に浮かびますか？
折衷的で芸術的デザインが溢れる宝箱です。Libertyの精神には魅力と願望、発見がぎゅっと詰め込まれています。
デジタルの世界はプリントにどのような変化を与えましたか？Libertyのデザインチームもデジタルアートを採用した新たなプリントを制作していますか？
コンピューターは鉛筆や絵筆と同じくらい重要なツールだと思っています。コンピューターは鉛筆や絵筆に取って代わるものではなく、新たな違うものを生み出すことができます。Libertyのアーカイブはすばらしいデジタルライブラリーであり、企業内の専門家のスキルを活かして過去の作品にアクセスしそれらを共有することは、今日のファッションにとても大切なことだと考えています。
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A special thank you to Liberty and Mary-Ann Dunkley (Head of Design for Liberty Fabrics and Print) for her interview.
Editorial images of collection:
Photographer: Julia Morozova
LVR Senior Stylist: Klio Kosuth
LVR Junior Stylist: George Wood-Webber
Make-up: Giulia Gabbana
Models: Aurora, Diarra, Rachele And Lorenzo
